今週の音楽-GETZ/GILBERTO「イパネマの娘」

ボサ・ノヴァ創始者の一人ジョアン・ジルベルトが、6月10日に80歳の誕生日を迎えたそうです。
初めて「ボサ・ノヴァ」という歌詞が登場した“Chega de Saudade”を歌ったのが22歳のとき。
以来ジョアン・ジルベルトは音楽のスタイルを変えることなく、今もボサ・ノヴァとともにあります。

まずは、ジョアン・ジルベルトと盟友カエターノ・ヴェローゾによる「イパネマの娘」を。

あぁ、なんて美しいんだろう。



ボクは21歳で彼の世界に魅了され、今も変わらず彼の音楽を愛し続けています。
遅れてやってきたファンですが、日本で手に入るアルバムはほとんど手に入れました。

数ある名作の中からあえて1枚を選ぶとすると、
スタン・ゲッツとともに吹き込んだ「GETZ/GILBERTO」(1963年)でしょうか。

「ボサ・ノヴァCD100選」(柿木央久、河出書房新社)では
「最高傑作、それとも失敗作? お聴きになる方のご判断を」という評価をされていますが、
いったい誰がこれを失敗作と言うのでしょうか。
1曲目「イパネマの娘」のジョアンのハミングに鳥肌が立ち、一気にボサ・ノヴァの世界に引き込れます。

絶対に来日しないと言われたジョアン・ジルベルトは、2003年に奇跡の来日を果たします。
ボクは幸運にもチケットを手に入れることができ、パシフィコ横浜のステージを見ることができました。
このツアーの演奏は「ジョアン・ジルベルト・イン・トーキョー」としてCD化され、
72歳のジョアンの声とギターを、今も好きなだけ繰り返し堪能することができます。

マイルス・デイヴィスのように変化し続けたミュージシャンとは対照的に、
ジョアン・ジルベルトは、生涯音楽のスタイルを変えませんでした。
その頑なさに、ボクは魅かれるのかもしれません。