農業がもてはやされる不思議

このところ、農業がもてはやされていますね。
不景気やエコ、食の安全、食料自給率の問題などが
複合的に影響しているんでしょうが、
15年間農業関係の仕事に従事してきたボクには、
不思議な現象に思えてしまいます。

「日本の農業は不効率。もっと企業的な経営が必要。」
確かにそのとおりだと思います。
農地法が改正されて、これからいろいろな企業が農業生産に参入する。
けれど、そのほとんどはうまくいかないんじゃないかな。

ボクがかつて研究していたキクの花。
日本の生産費は1本40円ぐらい、オランダでは1本25円ぐらい。
同じように人件費の高い先進国なのに、この差は何なんだろう。
ということで調べてみると、やはり生産規模の差に行き当たります。

大雑把にいうと日本の生産者の栽培面積は3000㎡ぐらい、オランダは10,000㎡以上。
この差は大きい。

けれど、日本で10,000㎡の温室を作って同じように栽培しても、
そう簡単に生産費1本25円にまでは下がりません。
例えば好まれる品種、例えばマーケットが要求する品質、
温室や栽培に必要な資材の価格。
様々な要因が、日本農業の生産コストを高いものにしています。

新たに農業にチャレンジする企業や個人は、
早晩、このビジネスの難しさに気づくことでしょう。

だからといって現在の日本の農業のままでいいとは、ボクも思いません。
改めるべきことはたくさんある。
成功する企業がでてきて、「こうやればよかったんだ」という、
新たな突破口が見つかれば素晴らしいことだと思います。

とはいえ、昨今の「ブーム」といってもいいような、農業のもてはやされ方は、
やっぱり不思議としか思えませんね。
ちょっと気持ち悪いと感じてしまいます。

(手元に資料がないので、生産費や面積の数値は正確ではありません。あしからず。)
 






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